感想 NHKの人工知能2017 何故AIは結果しか教えないのか?

本作は、2016年3月に放映された「天使か悪魔か 羽生善治 人工知能を探る」

同シリーズの2作目 NHKスペシャル「人工知能 天使か悪魔か 2017」

前回に引き続き羽生善治さんが世界各地でレポーター役を務めています

2016年時の主な内容は、

韓国の囲碁棋士がアルファ―碁に負けたこと、そして病気や治療の解析に人工知能が使われ始めたことでした

まだ1年前のことで記憶に新しいのですが、

2016年の5月といえば、調度、グーグルの開発した人工知能であるアルファ―碁が、

韓国人の最強ランクに位置づけられているプロ棋士李世乭イ・セドル9段に圧勝し世界に衝撃が走ったときです

まだ、若干この頃までは、

人類の期待をこめつつ

「人工知能はまだ高度なゲームでは人間に及ばないだろう」と言われていた時期だったように思います・・

チェスなどの盤面の少ない単純なゲームには向いているが、囲碁のように無限の打ち手にはまだ人工知能は追い付けないとも言われていました

特に、囲碁のような複雑なゲームは、人工知能が人間に追いつくには、あと10年はかかるとも

しかし、人類の期待はあっさりと打ち砕かれます

世界最強ランクの韓国プロ棋士 李世乭イ・セドルが、あっさりとアルファ―碁に敗北(囲碁を詳しくは知りませんが、本当にあっさりとらしいです)

しかし、そこは韓国囲碁界が黙っていないのか、

これを受け、李世乭に9勝している柯潔カ・ケツ(2015中国棋士ランキング1位)が、

「AlphaGoは李世乭イ・セドルに勝っても、私には勝てない」と発表

そして、2016年5月「世界最強の棋士」柯潔カ・ケツとAlphaGoが対戦

開催地は中国浙江省ウジョン国際インターネット・コンベンションセンター

結果・・

フューチャーGOサミットシリーズはAlphaGoが3局全勝・・

柯潔は

「人間では想像もつかない手を打ち、強かった」

と述べています

また、

AlphaGoは世界を変えてしまったが、

ぼくはぼく自身でありたい。

そして囲碁が楽しいことを伝えたい。その責任がある

とも語っていました

アルファ碁は、2015年10月までに、3000万局の自己対局(アルファ碁VSアルファ碁)を行っていたそうです

超高速で処理される眠る必要のない人工知能は、一人の人間が何千年かかっても不可能な対局を実現できます

この1年後、将棋の佐藤天彦名人と対決する事になる人工知能『ポナンザ』も、

700万局という対局を人工知能同士でしていました

これは、人間が2000年かけても追いつけない対局数だそうです

ここに、囲碁のように創造性に富んだ複雑な思考の世界においても、

人類は人工知能に勝てないことが証明されました

後日、

AlphaGo開発者のデミス・ハサビスとGoogleは、この試合を最後の対局としてAlphaGoの引退を発表・・・

「引退」を告げたDeepMindのデミス・ハサビスは、

過去のAlphaGo同士の対局データ50局分を10局ずつ10日ごとに公開することと、AlphaGoの「考え方」を囲碁の研究に活用できるツールを開発することを約束 

 

そのころ、医療分野では

アメリカで天才的な研究者や専門医でも判断できない癌を、人工知能が発見します

人工知能は、過去の膨大なデータから診断結果をたたき出し、さらに最善の治療方法まで提案

また、日本においても、東京大学医科学研究所が導入した2000万件もの医学論文を学習した人工知能米IBM社の

人工知能「ワトソン」が、

専門の医師でも診断が難しい

二次性白血病という特殊なタイプの白血病を僅か10分ほどで見抜いたことが発表され話題になりました

その結果、治療法を変えるよう提案された60代の女性患者の命も救われたそうです

研究を行った東京大学医科学研究所の医師談

「1人の医師がすべての膨大な医療情報を把握するには限界があり、

情報を蓄積してみずから学習する人工知能の活用は

医療の世界を変える可能性を秘めている」

一方、中国では4000万人以上の人々が

シャオアイス小泳と呼ばれる人工知能に夢中になっていま

スマホに搭載して話しかけると、時には恋人のように、家族のように話をしてくれるソフト

若者の中には、このシャオ・アイスと結婚したいとまで言う者もいるほど人気があります

ちなみに、日本では

『マイクロソフトの女子高生AI りんな』 と言う子がいます

LINE上で会話ができます

そして

2017年

今回は、人工知能の有益性や利用方法といった部分のみではなく、人工知能がもたらす脅威について、大きく触れられていました

先のアルファ―碁についてもそうですが、人工知能は結果のみを人類に示してくれます

その過程を我々は知りたいのですが・・

羽生善治さんも感じたように、

人工知能の中身は、依然として「ブラックボックス」のままです

今回、医療関係事務を取り扱う企業では、今後退職が予期される社員を人工知能を用いて予測していました

医療関係事務職は離職率が非常に高い職場で、退職者は年間2,000人にも及ぶといいます

クライアントに対する信用確保のためにも、

人事担当者は、面談では見抜けない退職の可能性のある人物を、人工知能によって特定し、その離職対策に活用しています

人事と言えば、昔から「所詮、人事は「ひとごと」だから」と言われてきた分野ですが

しかし、「ひとごと」だからこそ、人にしか分からない、知りえない、本心が読めない部分が多いとも言えます

しかし、AIは、面談時のアンケートに書かれた文字の順番や語彙から、統計的にその人物の本心を探り当てることが出来ます 

そして、人事担当者に対して、離職の可能性がある人物を点数で教えてくれます

 

その後の結果は、確かに面談では知りえない部分をAIが探知出来たようですが、

 

ここでも「なぜ、この人は離職する可能性が高いと判断したのですか?」

については教えてはくれませんでした

Inmates sit in crowded conditions at California State Prison in Los Angeles.

一方、アメリカの刑務所は、国民の3人に1人が受刑経験があり、州の刑務所は常に飽和状態が続いています

そこで、

AIを使って刑期終了後の再犯率を計算し、それを受刑者の仮釈放の判断基準に行政官庁が利用しているそうです

AIが自分たちの釈放基準を決めていることを知らされていなかった模範囚の囚人は、

テレビ局のインタビューに対してこう述べていました

「じゃあ、人工知能が釈放の判断を間違ったら、誰が責任を取ってくれるんだい?」

アルファ―囲にしても将棋のボナンザにしても、「なぜその手を打ったのか?」については、人工知能は答えてくれません

人工知能は結果しか示しません

棋士の側からすれば、『少なくとも100局以上の棋譜を分析しなければ、AlphaGoへの理解を深めることは難しい』といいます

しかし、打つのに何千年もかかる3000万局の自己対局を続けたアルファ―碁にしてみれば、100局以上の棋譜を人間が見せてもらったところで、その思考回路を見定めることは不可能なのだと感じます

人工知能のブラックボックスは誰も開いて見ることは出来ない

思考が分からない相手の最善策を信じて、人間社会が創り上げられる

それは

『人工知能を利用はしましたが、最後は人間が選択した結果です。ですので、我々の社会は我々が創り上げたものです!』

とは言えないのではないかと、複雑な想いです・・

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