貧乏人は健康もかえない?NHKの健康格差問題の解決策

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所得や住んでいる地域などによって、病気のリスクや寿命に格差が生じる「健康格差」

NHKスペシャル 私たちのこれから「♯健康格差 あなたに忍び寄る危機」で放映された内容だ。

この健康格差は、現在の雇用形態、社会保険問題を前にすれば、待ったなしの状況らしい。では、この経済格差に伴う健康格差という社会問題をいかにして解決するのか?

結論を先に言えば、解決策は、「つながりを持つ」ということだった。

もう少し枝葉を付ければ、「ソーシャルキャピタル」の形成、「人のつながりが生む力」の活用である。

所得や社会保障の違いによって、健康維持には差が生じるのですよ。というのはイメージ出来る。それはそうだろう。お金をたくさん持っている人たちは、人間ドッグにも定期的に行けるし、中国産の食品を食べる必要もない。一方、非正規雇用の社会人や微々たる年金しか給付されない高齢者は、日々の食べるものにも制限される。

番組に出演していたある40代後半の非正規雇用の方は、「スーパーマーケットで買い物をすることもない。」そうだ。だから、食品の表示をみて安全かどうか判断する機会もない。と発言していた。

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非正規雇用の問題や目に映らないホームレスの問題は私も関心を持って目にする。雇用機会が均等になったはずなのに、一歩足を踏み外せばこの国は非常に生きずらい社会だと思う。

そしてこうも考える。貧乏な人は貧乏なのだからしょうがない。金持ちは、運よく金持ちの下に生まれたか、努力して金持ちになったのだから恩恵をこうむるのは当然なのだ。

それこそ、アメリカに追従した日本自身が選んだ、競争社会の姿なのだろう。リビアに生まれようと日本に生まれようと運なのだから、内戦の無い日本の中でどのような家庭に生まれて来ても、それは運でしかない。あとは、意思の外で生まれてきてしまった本人の生き方次第なんだなという気がする。

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では、このテレビを見ていた視聴者たちはどう考えただろうか?

  • 27歳女性「お金がないと定期的に歯科にかかる事なんてできない」
  • 65歳男性「経済的な問題とリンクするのでは自力では解決しない。啓蒙と合わせて地域行政の力が必要」
  • 38歳女性「食生活では健康に格差が生じていますが、雇用形態により左右されるとは驚きました」

  • ・・・「経済的な格差で健康格差が生まれる国って先進国って言うんですかね?」
  • 74歳男性「社会より自分自身が意識を持つことが大切ではないかと思う」
  • 68歳男性「健康は金で買えるという時代だと思います。健康保険だけでは健康が維持できないということだと思います」
  • 76歳男性「個人の裁量の問題だ」
  • 74歳男性「社会より自分自身が意識を持つことが大切ではないかと思う」
  • 45歳女性「20社ほど会社の産業医をしてきたが、会社、業種により有病率の差を肌で感じている」
  • 68歳女性「肉体労働と頭脳労働では羅漢率に差があるのだろう」
  • 61歳女性「まずは一人一人の自覚、認識からだと思う。そのために、小さいときからの食育はとても重要だと思う」
  • 46歳女性「非常勤のため、傷病休暇が無く、病気で休むとその分収入がなくなる」
  • 36歳女性「子供がいるので、なかなか病院にいけないし、もちろんお金がないと高度な医療はうけられない」
  • 62歳男性「いまジムに通っているが、やはり余裕のある金を持たないと此処には通えないと思います。今後が心配」
  • 63歳男性「低所得者は病院に行くのを我慢している」
  • 57歳男性「金持ちは延命できるが、貧乏人はお金のかかる高度な医療を受けれないという事実」
  • 50歳男性「健康を害しているから、所得が低いという面もあると思います」
  • 23歳女性「生活に余裕がなければ病院も行けないし自炊も材料の購入もできない。社会問題と捉えていい」
  • 48歳女性「10分で昼食、昼休み終了。トイレも我慢。でも健康診断が悪いと総務部長から罵倒。企業に罰則が無いので」
  • 36歳男性「常に意識していれば色々なやり方を見出せるので自己責任。今はネットで情報も集められるし」
  • 45歳女性「分かっちゃいるけど、やめられない。そうして健康を害している方が多いです」
  • 46歳男性「日本全体が貧乏になって、食事や運動に廻す余裕がなくなってきていると感じています。貧すれば病すです」
  • 39歳男性「個人・社会のどちらかに責任がある、と考えるのが一番まずいことだと思う」
  • 56歳男性「コンビニやスーパーの惣菜に健康に影響のあるもの(塩分や添加物)の規制が必要」
  • 39歳男性「自分勝手に太って不健康になっておきながら、それが社会のせいだとは笑止千万」
  • 43歳男性「健康格差は社会問題というけれど、結局は誰かに任せるのではなく自分の健康は自分で守るしかないのでは?」
  • 50歳女性「国民健康保険と組合健康保険、検診の項目の充実が全然違います。国保の検診など意味がないレベルです」
  • 41歳男性「現役の歯科医です。定期的に歯科医院に通院している人の方が、内科や外科の医療費も少ないです」
  • 43歳女性「まずは雇用による健康や経済格差が大きいと思います。後、私は病気は自己責任だと思います」
  • 25歳男性「意識を高めるべきという意見もあるが、もはやそんな甘い段階ではない。意識があってもどうにもならない」
  • 42歳男性「いい病院があるのは都会だけだろうし、お金持ちしか行けない。がんなんて特に」
  • 62歳男性「健康を自己責任ではないと言い切ってしまうと、個人個人が自分の健康に責任を持たなくなるのではないか」
  • 40歳女性「フリーターの友人は家賃など引いて月7万円以下での生活。勤務も長時間、料理も作れず、病院も行けずです」
  • 38歳女性「お金がないと病院にも行きません」
  • 36歳女性「自己責任だと思うけど、働き方が様々な世の中で自炊と言われても難しい人はたくさんいると思います」
  • 41歳女性「子供の時からの食事をしっかりとしてほしい」
  • 28歳男性「以前、長時間労働で睡眠時間3時間のなか24時間営業の店に頼って食事は偏っていました」
  • 57歳男性「何でも人のせいにする人が増えて過ぎている。義務と権利は表裏一体です」
  • 62歳男性「健康管理は自己管理、しかし、余裕がないと出来ない。特に収入がないとできない」
  • 46歳女性「コンビニ、スーパーでは食品添加物が添加されていない食品はほとんどない。製造物責任は?」
  • 27歳女性「明日の食べるものが無いって中では、健康なんて考えてない。明日死ぬか明後日死ぬか、そういう世界」
  • 61歳女性「まず小学校から継続して、こういう知識を教育する必要があると思います」
  • 45歳男性「健康管理は自己責任では解決不可能。最近、時間・収入に余裕が出て初めて管理できるようになった」

テロップを拾っていくと上記のような意見があがっていた。

最初に述べた解決策「つながりを持つ」が随分と幼稚な解答に聞こえてしまう。

やはり、切実で厳しい意見が多い。特に大方の予想通り、「病気になるのは自己責任」という意見が多数出た。

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これは、山で遭難するのは「自己責任」。タケノコ採りにやぶに入ってクマに襲われるのは自己責任。と同じ部類の考え方なのだろう。

これらの意見からは、どの道に進むのかは本人が決めたのであって、他人を巻き込むのはやめてくれ感が感じられる。

しかし、ちょっと待った。引くに引けない状況なのは皆どうも一緒らしい。医療費が増大していくと現在健康な人たちも社会保障費用が増大して大変なことになる。

高齢者の健康調査において、要介護者の割合は低所得者の方が2倍高いらしい。その原因は、貧乏な人は外に出ないことにある。

外に出ないと、足腰が弱まり身体機能が低下する。身体機能が低下すると病気の発生率が高まり健康保険を使うことになる。そして、現役世代の納税は増える。

だから、地域の密着を昔のように濃くして、自己管理の輪に皆が入らざるを得ない状況が現代には望ましいというわけだ。

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元金融担当大臣であり、人材派遣会社でパソナグループの会長を務める竹中平蔵氏が言っている。中央に人口を集約して小さなコミュニティーを形成すべき。というのも一理あるのだろう。地方の切り捨てとは言っても、どちらも共倒れよりかはましだ。郵政民営化して利益優先すれば、田舎に一軒しかない農家は配達から切り捨てられて当然となる。

そういうわけで、「社会とのつながり」でこの問題を解決していこうとしている。

イギリスで行われた事例として

イギリスの食品基準庁において2003年から2011年にかけて行われた政策により、国民の塩分接種率が15%削減できた。これは、食品店や外食店に政府が働きかけ、塩分の使用を徐々に控えるように勧告して達成した成果だ。

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しかも、ゆるやかな塩分削減により市民は普段の味と変わらないと感じていた。そして、減塩により病気発生率が下がり、国の医療費負担を年2000億円削減することに成功した。

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これと同等の政策を足立区も実施しており、野菜の摂取を外食店やスーパーに働きかけ、重い糖尿病患者の割合を下げることに成功した。しかも、面白いことに、区から補助金が出るのではなく、区のホームページに「ベジタライフ協力店」として掲載することで広告になり、双方WINWINの関係を築くことが出来た。

愛知県の武豊町、人口4300人では、5年で外出する高齢者を増やした秘策があるらしい。100円で参加できる「憩いのサロン」を運営し、1人暮らしの閉じこもりがちな高齢者を外に出すことに成功した。

武豊町は、このようなサロンを徒歩15分圏内に小さく複数設立し、気軽に出かけられる環境を作った。そして、元気な高齢者をスタッフとして使用することにより、身体の弱い高齢者を無理に引きずり出すのではなく、高齢者が高齢者を自然に呼び込める体制を整えた。

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「ソーシャルキャピタル」「人とのつながり」

力のなさそうな感情論的な手法ではあるが、こんなことで

所得や住んでいる地域などによって、病気のリスクや寿命に格差が生じる健康格差問題』

というなんとも解決しがたそうな問題が改善に向かうのであれば、皆でやってみようかという気になる。

おわりに

相変わらず的を得ないコメンテーターの宇野常寛が宙に浮いた発言をしていた。つながりのある社会の作り方に対して、

「老人に対して「ポケモンGOで一緒にポケモンを駆りに行こう」と誘ってつながりを作るとかどうだろう。」

と発言していた。あほかと思った。お前が興味あることで誘うのではなくて相手が何に興味を持っているかを考えるべきだろう。朝の情報番組「スッキリ!!」で早く加藤浩次さんに殴られれば良いのに。

逆に、初めて見た小説家の平野 啓一郎さん、俳優の風間トオルさんは良いこと言っていたなあ。

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