職員ハンターだけじゃない!福岡県添田町の鹿VSオオカミ計画

イエローストーン国立公園のオオカミ(ハイイロオオカミ)Canis lupus occidentalis 追跡調査用に電波発信機つきの首輪をつけている

イエローストーン国立公園のオオカミ(ハイイロオオカミ)Canis lupus occidentalis 追跡調査用に電波発信機つきの首輪をつけている

今、日本で、過去に絶滅したオオカミを復活させようとするプロジェクトが進行しようとしている。かもしれない・・・

“放狼”是か非か 農林産物の鳥獣食害深刻化に関わる福岡県の住民提案がこれだ。

「オオカミ復活」は是か非か-。

シカやイノシシによる農林産物の食害に悩む福岡県添田町の住民グループが、国内では絶滅したオオカミを輸入して山林に放ち、食害を減らそうとの構想を提案している。

=2016/10/18付 西日本新聞朝刊=

問題提起を行っているのは、鹿の異常繁殖によって引き起こされた食害に苦しむ住民たちだ。

林野庁:鳥獣被害画像集

林野庁:鳥獣被害画像集

福岡県に限らず、現在日本はいたるところで野生のシカによる被害(食害)が広がっている。登山道に入ると、いたるところで鹿によって皮が食い剥がされた木を目にする。

これらの皮を食い荒らされた木々は、地下茎からの水分が表皮を伝って吸い上げることが出来なくなり、しばらくすると倒木する。

鹿の繁殖は、1978年から比較すると約2.5倍に広がっている。平成26年度森林被害面積は、全国で約9千ヘクタール。フロリダ州に在るディズニー・ワールド・パークぐらいの広さになった。

鹿による被害は、森林における被害の8割を占めている。よく聞くイノシシやサルでさえ、その被害はシカと比較すると1/100程度でしかない。

更に、シカはとても繁殖力が強い動物であり、メス鹿は毎年妊娠する。もし、捕獲されなければ、毎年20%の割合で増え続けることになり、4年~5年で個体数は倍となる。

個体数を削減するためには駆除が必須となるが、現在猟友会は高齢化し、後継者問題が度々取りざたされている。

特集 野生鳥獣と向き合う(3) 農林水産省

特集 野生鳥獣と向き合う(3) 農林水産省

調べればわかるが、狩猟免許を取得することは案外簡単だ。

猟友会が開いている6000円の事前講習会に行くと、本番のテストに出るところを事細かに教えてくれる。

狩猟免許は「罠猟免許」「網猟免許」「第1種銃猟免許」「第2種銃猟免許」の4つがあるが、第1種銃猟免許(散弾銃やライフル)でも5200円で取得できる。

講習会に出席さえしていれば、自動車免許と比較してまず落ちることはない。

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ただし、免許は取れても、実際に銃を所持し補完するには、警察や公安から厳重なチェックが入ることは当たり前だ。

銃免許を保持しなくても、罠猟の免許で鹿を捕獲することも可能だ。しかし、これでは4~5年で倍増する鹿の繁殖力には追い付かない。

日本政府としては、捕獲従事者の育成や確保、射撃場整備の推進などにより、平成35年頃までには、シカの生育数を現在の300万頭超から、160万頭まで減らしたい考えだそうだが・・・

なかなか、難しそうなのが現実だ。

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(写真はイメージです)

そんな、手詰まりの感が漂う現状で、起死回生の提案となるのか、はたまた鳴り物入りでお蔵入りとなるのか、注目しているのが

「オオカミ輸入計画」である。

過去、ニホンオオカミは、野生生物界の頂点に位置していた。

そのニホンオオカミが絶滅したのは自然界の法則ではなく、人間の介入によることが原因であった。

西洋から輸入された犬による狂犬病の発症やジステンパーなどの家畜伝染病の蔓延。そして、国土開発による餌資源の減少や生息地の分断など、複合的な要因があったとされている。

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また、明治期には、オオカミを狩猟することが奨励され、1匹あたり現在の価格で15万円が国から支払われたという。

そして、この「オオカミ輸入計画」

この狼を中国などから輸入し、シカの被害の多い地域に放すことで、生物界のバランスを取り戻そうという施策なのだ。

確かに、アメリカでは成功例がある対策だが、日本の方針としては、以下の会議資料を見る限り、オオカミの導入に対しては否定的な見解であるようだ。

しかし、早急に対策が必要な課題とはいえ、今後人間がどのように野生のシカと共存していくのかは、いまだ未知数である

平成25年7月17日(水) 経済産業省別館8階 850号会議室 中央環境審議会 自然環境部会 野生生物小委員会会議 議事録

【委員】(外人さん)

アメリカのイエローストーン・ナショナルパークでは、以前エルクというとても大きなシカじゃないのですけれども、日本語でエルクというのは何て言うのかよくわかりませんが、そのエルクという動物がおりまして、

それがあまりにも異常発生したものですから、農家の方々を説得して、家畜を襲うかもしれないけれども、やはりここでオオカミを放さないとバランスがとれないということで、オオカミを放したことによって、

もちろん農家に対する被害も多少ありましたけれども、それを今度国の施策の中で、被害を受けたときはちゃんと弁償しますというふうにしてこられたわけなんです。

それで30年間かけて、バランスをよくして、キツネも増えてきたし、一つの生態系の食物連鎖じゃないんですけれども、ちゃんとしたバランスのとれた持続可能な地域を環境の中につくってきているわけなんです。

ですから北海道のここのところを、一つのナチュラル・プリザーブとして、本当の保護区域として、持続可能な動物たちが自分たちで、自分の、ある意味で秩序を保ちながら、きちっとした生息ができるような形のものにしていくつもりでやっているのか、

それとも本当に人工的に人間が手を加えて、あなたは生きていていいですよと、この動物はだめだから排除しますよと、非常に何か人間社会がやっているようなことを今度動物にまでさせてしまうというのは、私は非常に子供の教育にとっても良くないことだと思うので、

そこのところのポリシーがちょっと見えないので、そこをちょっと教えていただけたらと思います。

【課長】

もともとエゾシカが、今どんどん増えていろいろな影響を与えていて、かつて天敵としていたエゾオオカミのようなものを放したほうがいいのではないかというご意見を頂戴することもございます。

外国にはそういった例もあるのですけれども、我が国においては、今のところ、天敵のオオカミを人為的に再導入をして、もう一度シカの天敵として機能させるというようなことをするとか、それを認めるというようなことは考えておりません。

一つは、日本の場合は自然界と人間の生活している所が非常に近接しているというのが一つございます。

アメリカのように、大自然のエリアと、人間が住んでいるエリアが一応区別されるというようなことではなく、もう野生生物のすみかが人間の生活の範囲に近いということがありますので、仮にオオカミを放したときに、人間に対する、人間とか、あるいは家畜に対するいろいろな影響が考えられますので、そこは非常に慎重に考えなくてはいけないなということがございます。

今のところこういったことをやる、あるいは認めようということについては、環境省としては慎重な態度ということでございます。

環境省としては、当然の対応といったところか。生物としては、絶滅したのが運命だから、そのままにするのが自然である。のはごもっとも。

それにしても、野生生物小委員会の議事録めちゃ読みにくい・・・

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